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Topic 76. 【専門医に聞く】子どもを近視にさせないために「やっていいこと・ダメなこと」(日中編)


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【専門医に聞く】子どもを近視にさせないために「やっていいこと・ダメなこと」(日中編)

子どもの近視の低年齢化が問題になっていて、幼児期の生活習慣は近視の発症・進行に大きくかかわっています。子どもの近視の治療・研究をしている東京医科歯科大学 眼科学教室の五十嵐多恵先生に、近視予防の観点から子どもの日中の行動について、「やっていいこと・ダメなこと」について聞きました。

近視にさせない遊ばせ方やゲーム・スマホとのつき合い方は?
日中の過ごし方で、子どもの目の状態はよくも悪くもなります。子どもの目を近視にさせない生活習慣を知っておきましょう。

Q1:夏の強い太陽光は刺激が強すぎるから、外で遊ばせるのをひかえる
真夏の強い日ざしは刺激が強すぎて、目に悪い影響が出そう。目を守るために夏の日中は家の中で過ごしています。

【×】屋外活動が少ないと、近視になることがわかっています
「可能であれば1日2時間以上屋外で活動することは、近視の予防に効果があるというデータがあります。一方、コロナ禍で子どもの近視が急増したのは、外出自粛により外で過ごす時間が極端に減ったことも原因の一つと考えられています。外遊びには、子どもの目を近視にさせない作用があるのです。
とはいえ、強い日ざしがふり注ぐ日なたにいる必要はなく、屋外であれば木陰や建物の影でも十分な明るさがあります」(五十嵐先生)

Q2:こまかい作業の遊びは近視を進ませるから、できるだけやらせないようにする
手先を使うこまかい遊びが好きなのですが、集中すると目に近づけて遊んでしまうので、なるべくやらせないようにしています。

【×】手先を使う遊びも大切。やめさせるのではなく外遊びの時間も作って
「目から20センチくらいの位置で行う作業(近業)は近視になりやすく、近視を進めてしまうことは事実です。しかし、屋外活動の時間が長い子どもは、近業の時間の長さと関連なく、近視の発症が低いことがわかっています。
手先を使ったこまかい遊びは、子どもの発達にとてもいい影響を与えるので、満足するまでやらせてあげてください。その上で外で過ごす時間を確保すれば、近視になるのを防ぐことは可能です。それでも心配な場合は、近視の専門の先生に定期チェックをしてもらいましょう」(五十嵐先生)

Q3:ぐずり対策として、短時間スマホの画面を見せるくらいなら大丈夫
公共の場でおとなしくさせるには、スマホを見せるのがいちばん効果的なんです。短時間ならスマホに頼ってもいい?

【△】1才以降は短時間なら許容ですが、1才未満の赤ちゃんにはNG
「WHO(世界保健機関)が2019年に、近視の問題だけでなく、子どもの健やかな心身の発育に関する研究結果をまとめて、『1才~4才の幼児は、1日に1時間以上、座ってタブレットなどの画面を見るべきではない』というガイドラインを示しました。公共の場のぐずり対策で短時間スマホを見せるのは許容ということになりますが、1時間以上見せるのは控えた方がいいでしょう。また、このガイドラインでは『1才未満には見せない』となっています。1才未満の赤ちゃんには、難しい場合もあるかも知れませんが、電子機器以外のぐずり対策を考えてほしいと思います」(五十嵐先生)

Q4:子どもが近視になるのはゲームが原因。短時間でもやってはいけない
子どもが近視になるのはゲームのせいと聞いたので、ゲームはやらせないようにしています。

【×】ゲームに限らず、目から近い距離を見続ける行為はすべて近視の原因に
「『ゲームは目に悪い』」とよくいわれますが、目から20センチ以内の距離を見続ける行為は、すべて近視の原因になります。たとえば、20センチの距離で20分間ゲームをするより、1時間机に向かって勉強をするほうが近視は進みやすいのです。30センチ以上離して、30分に一回休憩をとる習慣がある子どもは、近視になるリスクが低いことがわかっています。適切な近業(目と近い距離で作業する行動)対策を行ったうえで、勉強やゲームで遊ぶことをおすすめします。

また、ゲームをしなくても、日中ずっと家にいて外で活動する時間がない場合は、近視予防にはなりません(Q1参照)。屋外活動の効果は、近業の悪影響を上回ると考えられています。環境に影響を受けやすい幼児期はスマホやゲーム機などの電子機器の使用は1日1時間を限度とし、外遊びの時間を十分に確保しましょう」(五十嵐先生)

お話・監修/五十嵐多恵先生>

取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部